練り肉の朱肉の使い方
小泉湖南堂で販売しているハンコとセットになっているケースには朱肉があります。この朱肉について説明いたします。
この朱肉は練り肉でスポンジタイプではございません。練り肉はあまり使われないと思います。練り肉とは硫化水銀からつくった銀朱にひまし油、木蝋、松脂を溶かし入れヨモギや和紙を加えて練り固めたものです。
役所や銀行窓口でよくみかけるのがスポンジ式のものと比べて、練り肉は印影の色が永く変色しない高価なものです。火事になっても、一時的に変色することはありますが、時間がたてば、押した印影はもとの色に戻ります。
私どもの近くに裁判所があり、その関係で「この印影はなんと押してあるのか」と訪ねてこられるのこともあるのですが、たいていはスポンジタイプの朱肉で押したもので、変色してしまってわからないのがほとんどです。
せっかく高級な印材で彫ったはんこでも印影が鮮やかでないとはんこが死んでしまいます。
「よいハンコはよい朱肉で」という願いからセットで販売させていただきました。年数がたてば印肉は固くなってきますが、少し温めてへらで練り直せば一生お使いいただけます。
しかし、使い始めのころは練り肉が新しく柔らかいのでベチャッとつき、はんこが朱肉で汚れてしまうことがあります。お使いの場合は、軽くポンポンとたたくようにつけていただくとよいです。