印刀
きょうは印刀について少しお話させて頂きます。
写真の印刀は印鑑を彫るときに使います。
私の店では18本のそれぞれ太さの違う印刀を使い分けます。狭いところ、広いところ、字によってさまざまです。
この印刀も職人さんが自分に使いよい道具にします。鍛冶屋さんから取り寄せた印刀を竹ではさみ、籐で巻いていきます。刀を持ちやすいように仕上げます。職人さんによって印刀の作り方も違います。最近は鍛冶屋さんも少なくなってきて、またいい腕の職人さんも少なくなってきました。
この印刀を砥石で研ぎます。研ぎ方はたいへん難しい。三代目がいうには研ぐのに10年かかると申します。研いでいる間に手がぶれて真っ直ぐに動かすのが簡単ではないのです。真っ直ぐに研げれば刃先のあたりがぴかっと光ってます。研ぎ方の良しあしで作品の完成度も変わってきます。
一つ一つの工程が完成度が高くないと評価していただけないと思います。引退まで修行が続きます。